農学部長 米倉真一

農学部長を務めております米倉真一と申します。農学部同窓会の皆様におかれましては、ご健勝にてご活躍のことと拝察申し上げます。本学部は、本年、創立80周年という大きな節目を迎えました。まずは、長きにわたり学部の発展を支え、地域や社会において多方面でご活躍いただいている同窓生の皆さまに、心より感謝申し上げます。

この80年の歩みの中で、本学部は時代ごとの社会的要請や学問の進展に応えながら、教育・研究の充実を図ってまいりました。近年は、気候変動や食料安全保障、デジタル化など、社会・産業構造の変化がかつてない速度で進んでいます。こうした環境変化に対応し、次世代を担う人材育成のため、私たちは伝統を大切にしつつも、学びの枠組みを刷新する必要がありました。

そのような中、この80周年の節目となる本年、従来の1学科4コース制を「1学科3コース+1特別コース」へと再編いたしました。

生命・食品科学コース:旧生命機能科学コースの「生命現象の追及による生物資源の開発」に関する教育研究を基盤とし、「食と健康」に関する学問領域をさらに充実させました。

食料生産システム科学コース:旧動物生命資源科学コースと旧植物資源科学コースの生物生産に関する教育研究を融合し、動植物資源の利用に関する一体的な教育を行います。

山岳圏森林・環境共生学コース:旧森林・環境共生学コースの「緑と環境の保全や利用」に関する教育研究を基盤として、「野生動物管理」や「きのこ等の林産物資源」に関する学問領域をさらに充実しました。

地域協創特別コース:俯瞰的な視点から地域課題を解決できる地域リーダーの養成を目指したコース横断的な科目履修と課題解決型学習を柱とする新コースになります。

従来の教育資産や特色を継承しながら、学際性と実践力を高める新たなカリキュラムを整備し、学生がより主体的に学び、社会課題の解決に貢献できる力を身につけられるよう体制を整えています。80年の歴史は、絶え間ない変化への挑戦と、受け継がれてきた精神の積み重ねです。これからも同窓生の皆さまと共に、その伝統を未来へとつなぎ、本学部のさらなる発展を目指してまいります。引き続きのご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。