退職のご挨拶
信州大学農学部名誉教授 藤田 智之
企業に7年間勤めた後、大阪府立大学で大学教員になる機会をいただき、気がつけば34年の歳月が流れていました。初めて伊那の地にやってきたのは2005年10月、人事面接の時でした。翌年4月に信州大学大学院農学研究科の教授として採用していただき、19年間お世話になりました。所属は主に機能性食料開発学専攻(独立専攻)で、昨年4月に永眠された茅原 紘名誉教授の後任として着任しました。
大学教員になってからは、「人と人とのつながり」を大切にしてきました。学生たちの研究室生活は人生のうちのほんのわずかですが、その後の人生に少なからず影響を与えるのでは、と自身の経験から思ってきました。卒業生・修了生との濃密な研究生活は本当に宝もののように感じています。
信州大学に来てからの後半の10年間は、学部改組、大学院改組や学舎の耐震改修など多くの事業があり大変でした。特に学部長になってからのコロナ禍は誰も経験したことがない中で、対応に苦慮した思い出があります。
多忙な教員生活を振り返って、たくさんの方々に出会い、学び合い、そして支えていただいた時間の積み重ねが、今の自分をつくってくれたと感謝しています。退職して立場は変わりましたが、今後も農学部の発展に寄与できればと思っております。末筆ながら、農学部の益々のご発展と卒業生・修了生の皆様のご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げ、退職のご挨拶といたします。
